鷲田

甘美なる赤い香りは
蒼い花を征服して
空間に調和という時間を与える

香水の飛沫
ヒステリックに飛び散る夜
叫びは歌とは違う
言葉が一つ捨てられている

孤独な人は名前を持っているのか
沈黙と共に寝ているだけなのか
夢が現実の表面を包み込む
哀れ 一房の葡萄の実

陰惨な道は認識の過ちだった
目は自らに嘘を付いた
秋に染まる天空は真っ青
ああ、重くなった 私の体

栄光の粒子は
地球のマントルに引き寄せられ
やがて太陽が昇りゆく

人々は通俗的
少年がドアの扉を開く
朝の道路に横たわる影


自由詩Copyright 鷲田 2017-09-05 22:08:43
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