偏頭痛
花形新次

柏のマンションに住んでいた頃
妻の不在時に
若い夫婦が部屋にやって来て
「お宅の奥さんは、布団叩きを使われているが
その音が妻の偏頭痛に響くので止めてもらいたい
布団叩きには意味がないと専門家も言っている
理由は・・・・・・・」と聞いてもいない話を
延々30分間聞かされた
しかし私も休日の布団叩きには
うるさくて腹が立っていたので
私から妻によく言い聞かせると言った後
偏頭痛が気にならなくなる方法として
尿道にまち針を刺して
その痛みで偏頭痛を忘れる、という
ビートたけしから伝授された
取っておきの方法を教えたところ
何故か若い夫婦はとても憤慨して帰って行った

確かにビートたけしは
「目に刺して歯の痛みを忘れる」
と言っていたが
それをアレンジしたのが
気に入らなかったのだろうか?

「あの若い奥さん、頭かち割ったり割られたり
しなければ良いのだけれど」

心優しい私は
ひとり、そう憂うのでした

嘘だけど





自由詩 偏頭痛 Copyright 花形新次 2017-08-22 20:28:53
notebook Home 戻る