林檎
星丘涙

風が吹いてくる
夢をさらって 追いまどい
所かまわず星を散らす

遠くから歩いてきた
揺れる陰に怯え

さまよい歩く道の果て
落ちてきたリンゴを磨き上げ
かぶりついた 

罪の味がした

街の灯りを遠くで見つめ
冬はふたり手をつなぎ眠る
冷たい部屋で 

温かい貴女

忘れていた約束に花束を
忘れかけた思い出にはさよならを

もう独りきりでいたい 
歌は歌わない 夢は語らない

これだけは言い残して



自由詩 林檎 Copyright 星丘涙 2017-08-16 21:48:13
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