人造最低人間ガチョーン
花形新次

我地養義秀は
世界征服を企む悪の組織デマトロンに
捕らえられ
鳥貴族から手に入れた砂肝を移植され
人造鳥人間ガチョーンになった

しかし、他の正義の味方の例にもれず
我地養義秀も心まで
悪に染まることはなかった
ただ、悪を倒すときの方法が
デマを流布して
相手を精神的に追い込むという
悪以上に悪どいやり方なので
子ども達の人気はゼロだった

どうも聞くところによると
改造前から
そういう最低人間だったようだ
デマトロンの総裁もそれを知り
「もっと、しっかり人を選びなさい」と
人事部長に文句を言った結果
翌年から
改造人間候補を捕らえる前には
必ず興信所に身元を
調査させることになったらしい

ちなみに我地養義秀について
事後で調べたところ
最低レベルの自称詩人だと判明してしまい
人事部長は結局更迭され
今は関係会社デマトロン振り込め詐欺部
電話オペレーター主任として何とかやっている







自由詩 人造最低人間ガチョーン Copyright 花形新次 2017-08-15 11:02:39
notebook Home 戻る