女のすてきなあばら骨
田中修子

いつか完成するだろうか
あばらの中のいくつかの空洞は
満たされて、微笑んで眠るだろうか

脂肪に埋もれる柔和な女になれるだろうか
昔は違ったのよ
と笑って言うことができるだろうか

抱かれるのではなく、抱くことはできるだろうか
不幸を埋めるのではなく、幸福さえ産むことはできるだろうか
自分の脂肪を愛して、安らかに眠ることはできるだろうか

あばら
けっして完成されることのないわたし
少女にも男にも憧れてならぬから
せめて乳房を削ぎ取ってしまいましょう

陥没し
もりあがるのを
さらさらとなぞる

おそらくは
受け容れて生きていくように決めていた
わたしははじめから爛れ落ち、自らに火を放ち
青白く燃えてかがやいているあばら骨


自由詩 女のすてきなあばら骨 Copyright 田中修子 2017-07-25 00:10:07縦
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