しじみ
るるりら

薄く なまめかしい生を 朧にたずさえて
キミは 呼吸している


しみじみ キミは 黒曜石だ

意識する外界に ぶしゅと 放出させたものは
どんなにか甘美な夢でしょうか 
キミは黒々とした硬い殻の内側の透明な体をもてあましている 
ぎんぎらしたアルミホイールで闇を つくってあげましょうね
ほら覚醒なさって
銀のボールの中で ギンギラのアルミをかけられては
すこしの明かりが さし込んだけで 光は溢れかえり 
キミには抗いがたい睡魔の誘惑が やって来ることでしょう
覚醒とさらなる耽溺との誘惑の間で 
あえぎあえぎ呼吸する しじみよ

もう なにも
考えなくていいよ

わたしは瞼を とじましょう
キミの なまめかしい夢が 開くことでしょう 


自由詩 しじみ Copyright るるりら 2017-05-26 19:33:08
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