君の誕生日
Lucy

心配していることなんてきっと
うんざりするほど感じているだろうから
心配してますアピールなんてしない 
幸せを願っていることなんて
どうせ痛いほど感じているだろうから
言わないでおく
心配かけたくないって君がどれだけ思っているか
誰よりも私がわかっているから

壊れやすい薄い皮膜に包まれて
人として初めて外気に触れる君を
おそるおそる 
けれど必死で抱っこして
私は母として初めて青い空を見上げた

五月にしては風の冷たい夕暮れに
真夏のように暑かった
二十数年前の退院の日を思い出しながら

お誕生日おめでとう


自由詩 君の誕生日 Copyright Lucy 2017-05-10 08:12:06縦
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