父の背中(挨拶付)
宣井龍人


父の背中
53年の背中
もう隙間がないくらい

父の背中
背番号53の背中
数字がぎっしり埋まっている

その背中を擦ると
数字がぎしぎし唸り出す

私が石鹸で流せるのは
たった一日の疲れだけ

母が魔法使いを生んだなら
若返らすことが出来たでしょう

長かったはずの53年
貴方はやり直すのが相応しい

精一杯背中を擦ると
数字が上機嫌に話し出す
教えてください物語を

父の背中
53年の背中

もう重くなった背中に
また数字を加える



お久しぶりです。
如何お過ごしですか?
拙い詩ですけど、私の心情が素直に書かれています。
そういえば、こんな話はとうとうお互いしませんでしたね。
もう、この時の貴方の歳をとっくに越しましたよ、お父さん。
それでは、また、お元気で!


自由詩 父の背中(挨拶付) Copyright 宣井龍人 2017-03-19 18:11:24
notebook Home 戻る  過去 未来