独り言(海外の日本人について
虹村 凌

前回は、日本と韓国 と題したクセに、
韓国の話ばっかりになってしまった。

今の時点で二年半、今年の九月で3年目を迎える海外生活。
しかもずっとボストンの田舎。来年はここを出るぞ、NYだNY。

NYと言うと、大抵の人はマンハッタンを想像するだろう。
まぁ、チェルシーなんて行くモンじゃないと思っているけれど。
マンハッタンに行くと、実に多くの日本人を見る。
日本人の店も多い。
海外の日本人の店に行くと、どうも店員の態度が悪い。
接客態度悪いクセに、チップ20%寄こせと言う。
やらん、と言うた事が何度もあるが、一人、こんな店員がいた。
「アメリカではチップ出すのが法律で決まってるんですよ。
それも20%って決まってるんで、出して下さい。
いるんですよね、観光客でわからないからチップ出さないって人」
こんな事をぬけぬけと言うので、$20札投げつけて帰った。

こんな戯れ言を本気にする観光客が多いのだろう。
困ったもんだ。チップは接客態度に応じて払うモンなんだがな。
国内のチップ貰えない日本人の方が、接客態度はよろしい。
海外の日本人の店は、たいてい態度が悪い。
それでも、日本人は日本人の店に行くようだね。
実際に俺も行ったんだしなぁ。
名前は出さんが、NYのとある焼肉店は、接客マナー最悪だ。
逆に、「ケンカ」って店は、なかなか良い。
NYに大衆居酒屋を再現しているようだ。

よくトラブる。外人ともトラブる。
日本人だと思って、ナメてきやがる…と常に思っているからだ。
この前も、黒人のガキに「募金してくれ」と言われた。
「やだよ」と言ったら、
「This loser...fuckin Chinese bitch」と早口でまくし立てる。
「Shut up this nigger」で会話は終了。
ガキだからよかったが、こんな事を成人に言ったら射殺されてたな。

日本人の傾向として、事なかれ主義的モノがある。
面倒事を避けるのだ。例え自分が悪くなくても、すぐ謝る。
ビビり過ぎ。悪くなかったら謝らない。
自己主張が足りない。自分を殺す。
日本国内だったら、それでも通用する事があるだろうが、
一旦外に出たら通用しない。日本人なんかカス扱いだ。

そこに比べると、中国人や韓国人のエネルギーは凄い。
俺が俺がの大合唱。自己主張激しすぎ。聞いてないのにしゃべり出す。
先生も吃驚。張り合っても負ける。あのエネルギーには敵わん。

それと、間違った事があった場合。奴等は徹底的に闘う。
自分が納得するまで闘う。相手に折れさせるまで闘う。しつこいくらいに。
これも日本人に足りない部分である。
日本人と口喧嘩をすると、すぐ折れるので、逆に腹が立つそうだ。
そうだろうな、面倒事が嫌だったらすぐに折れるんだろうな。

海外に出る場合、その地の言葉を使う。俺の場合は英語だ。
そこで国際交流(色んな意味で)する時、日本人はなかなか発言をしない。
通じないのが嫌らしい。恥ずかしいらしい。馬鹿丸出し民族。
日本剣○連盟もそうだ。なかなか英語サイトを作らなかった。



韓国の大統領の英語スピーチを聞いた事があるだろうか。
もう滅茶苦茶だ。いい加減もいいところ。だが、それでも気にしていない。
発言する事が大事なのである。相手が理解しなければ、何度でも発言する。
どう思われようと、自分の意志を伝えようとする。
韓国人なぞ、ハ行もタ行も上手に発音しきれない英語で、一生懸命喋る。
日本人は、それが無い。見てて、苛々する事が多い。

ちなみに、日本人は留学生の中で一番発音が綺麗である。



あぁ、悪いけど俺は喋るから☆


日本人のあれは、妙なプライドって言うんだろうか。
以心伝心などと思っているんだろうか。まさかな。
恥なんて掻いて掻いて掻きまくりゃいい。その内、恥ずかしくなくなる。
実際に俺もそうだったんだし。母国語じゃねぇんだ、上手じゃなくても仕方ないだろ。
でも一生懸命喋ってんだ、お前等もなるべく聞いてくれ…。
みんな結構、聞いてくれるんだけどね。

アメリカンは、シャイらしい。
あまり日本人に話しかけない。話しかけられないらしい。
恐いんだそうだ。静かだし、顔の表情があまり動かない。
平面的な顔で、普段は無表情。何を考えているのかわからんらしい。
おまけに、アジアンの中では一等低い声で喋る。それが余計恐いとか。
なので、興味はあるが話しかけないらしい。
こっちから話しかけると、結構優しい奴が多い。

EVISジーンズはいてたB−BOYが、いかつい黒人に絡まれて困ってた。
(俺は笑ってみてた)
「どこで買ったん?いくらしたん?」と興味シンシン。
彼も、拙い英語で一生懸命しゃべる。異文化コミュニケーション。

話しかけて、「ファッキンジャップ」と大マジで言う奴は殆どいない。
俺は会った事が無い。知らない奴に言われた事ならあるけど。




日本って技術凄いよね。きっと素晴らしい国なんだろうね、とよく言われる。
俺は、「そうだね。技術は凄いよ。でも、思った程素晴らしくないんじゃないかな」
と、毎回答えている。ちょっと困りながら。
ハイテクだけ進んで、心の豊かさなんてどっかに行ってしまった。
狂った野郎が沢山いる。心を病んだ人が沢山いる。
そして、結構冷たいです。(東京の人間がそうなのか?
外人が怖いのかね。この前なんか、駅で困ってる外人を、駅員が見て見ぬふり。
なんつーか、こう、自分のホームなんだから、どうにか助けてやりゃいいのにね。



あ、でも優しい外人ばっかじゃないよ。
当然、不親切なヤツも、ぶっきらぼうなヤツもいる。



それでも、日本が好きだって言って貰えると、やっぱり嬉しい。
じゃあ、もっと日本の事を伝えようと思う。
俺の、ちっとも完璧じゃない英語で。
一生懸命聞いてくれるので、俺も一生懸命だ。
そんな時に、煙草があると、話も少し弾む。


外人にも、セブンスターはウケるらしい。美味いと言っていた。
そんな細かい事も、結構嬉しい。寝る間際に、思い出して笑っている。

日記みたくなってしまったなぁ。
何が言いたかったのかと言えば、
日本人はあまりにも自己主張が少ない。
物事を腹の中に納めがちだ。
自分が耐えれば、どうにかなると思っている事が多いようだが、
一度そんな事をしたら、「コイツは平気なんだな」と思われる。
思われたら、繰り返される。
そうなると、日本人は耐え続ける傾向にあるようだ。
俺もそれで、一度プッツンした事がある。すまん、一度ってのはウソだ。
なので、何度でも腹に収められるなら問題無いが、
そうそう我慢出来ないんだったら、文句を言おう。
慣れない事だろうが、なるべく慣れてくれ。
海外に出ると、日本人はとたんに駄目になる。
確かに、技術の進んだ凄い国なんだろう。
アニメーションも世界で一等の、凄い国なんだろう。
でも、他と張り合う事もしなければ、駄目なんだと思う。

俺は、海外で二年半過ごして、見てきた数々の日本人を思い出した。
俺も、駄目だったなぁ…とか。


常に喧嘩腰でいるのもどうかと思うが、
自分の主張だけはどうにかして伝えよう。


しかし、この前のPCの授業のプレゼンは困った。
ある外人が「NINJA」を題材にしてPPでプレゼンを行ったんだが…。
「忍者は最強だ。忍者は鉄砲では殺せない。忍者を殺せるのは、
唯一他の忍者である」とか、もう伝説みたいになってしまっている。
むぅ。これはどうしたモノか。日本の忍者が強いのは嬉しい。
しかし、これは間違っている…ので、授業終わってからこっそり教えてあげた。


そんな毎日だ。


日本人はビビり過ぎ。だと思うよ。
セブンスタァを吸おう。





HOPE!


散文(批評随筆小説等) 独り言(海外の日本人について Copyright 虹村 凌 2005-03-07 02:58:05
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