風花のことづて
そらの珊瑚

あの頃
きみはまだ産まれていなかった
着床しない
小さな種だった

人はなぜ産まれてくるんだろう
人はなぜ産むんだろう
いつか手ばなす命であるのに

わたしが
影も形もない頃
少女だった母のまなざしの中に住んでいた
だから
この儚い雪たちを見たことがある
ハロー風花
優しさが曇らせた窓硝子を
指で撫でれば
涙を流して
凍えた箱庭を透過してくれる

なぜおまえは
積もらぬことを知っていて
天から身投げしてくるのかい


自由詩 風花のことづて Copyright そらの珊瑚 2017-01-18 08:02:56縦
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