たぶんクリスマス
ただのみきや

朝早く
家族が眠っている間に雪かきをする
でないと外出も時間も困難になるから

白く美しい雪
儚く消える雪
だが降り過ぎるとまったく始末に負えない

気温が下がり切らないと雪は酷く重くなる
汗でシャツを湿らせながら雪かきをする
別に珍しいことではないのだけれど



目覚める前
朝と夜の間にあなたの重い悲しみを
一心不乱にかき出している誰かがいる

冷め切らない傷口から湧き出して
あなたの出口を塞ぎ閉じ込める
始末に負えない憂鬱を

――それにしてはスッキリしないって?
それほど溢れ積もっていたってこと
少々軋むが扉が開くようにはなっている




          《たぶんクリスマス:2016年12月24日》







自由詩 たぶんクリスマス Copyright ただのみきや 2016-12-24 19:59:47
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