獣と鬼火
田中修子

しなやかな獣のようだきみは

脂肪のわずかなあたたかなからだ
むしゃむしゃごはんをたべ
わたしをむさぼり
疲れたらひっぱたいても起きずに深くねむり
あしたははたらきにゆくのだろう

眠れずにきみの
とがった横顔をみつめる
やわくひややかなわたしは

ゆるくきみにからみつき
体温を奪うかわりに
密やかに灯している

すでに人を過ぎた
青い鬼火


自由詩 獣と鬼火 Copyright 田中修子 2016-12-20 00:56:59縦
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