さしいろに 虹
るるりら



ちぎれた 火の粉を雫の中にやどした言葉たちを超えて鳥が謳う
ほととぎすは 夜通し歌をもやし カッコウは霧雨を もやし
溶接工は 鉄を燃やして繋ぎ合わせノアより巨船を創り
アリアは 魂をすくいとり 天界に謳いあげ星を示す
四つの季節の花々は 透明な火を 発している
山を覆う その紫の霧の微細な火を 吸い
生まれたての双葉のように両手を広げ
翼の思いのたけ遥か彼方のあなた
あなたの胸の内に ほむら立つ
夜の帳が落ち 空を赤く染め
褐色大地の鼓動が聞こえ
赤さ橙から黄色緑青紫
赤から多彩に変化し
赤よりも熱く静か
あなたは 星々      
橙黄緑青紫
黄緑青紫  
緑青紫
青紫          
紫          





粒の
涙の中
収斂する
虹があるよ
雪のひとかけ
早朝の 霜柱に
ひかりの 指し色
紫青緑黄橙赤が涙に
スペクトルにハジケテる
大空に輝く虹と同じ色彩の
あなたの発露が にじませる
たぎる あなたの私の魂のマグマ
大きなものしかみようとしないときも
小さなものにとらわれているときですら
わたしたちは 虹の指し色を もっている
巣立ちの日の鳥の両翼のように 両手を広げ
山を越え海を越え 曙の陽に温もる大気を吸い
四つの季節があたらしく循環しはじめるのを軽く
鎖骨に問いかける 鳥と同じ構造が私にもあるのだ
飛べるさ 遠くで歌っている あなたに 逢いに行くのだ
 
  


以前書いた作品を おおはばに 加筆しました。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=291528&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25E8%2599%25B9%25E3%2582%2588




自由詩 さしいろに 虹 Copyright るるりら 2016-12-16 15:21:00
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