蝶々
水宮うみ
あなたは蝶みたいに喋る。
わたしも蝶みたいに喋る。
「喋れない」とも喋れない蝶たちは、ひらひらと舞って、お花畑を自由に飛んでいる。
結局、わたしもあなたも喋りかけられるのを待っていた。今思えば、あのときの寂しさは、蝶よりも、動植物よりも、晴れた日の海辺のそらのように、小さく輝いていた。
わたしの寂しさが喋る。
自由詩
蝶々
Copyright
水宮うみ
2016-11-23 22:31:55
縦