もっと近くに(ゴル投稿修正版)
高橋良幸

海原、だとか
だれかの潮の、へその匂いを
膿んだ六月の、折れた傘を
膜のついたまま
肋骨にはしないで
竜骨にした

進んでいる、のか
走っている、風
青信号の点滅が
敷き詰められたような
海原

公転の速度で、わたしは
わたしもあなたも
乾燥していって十一月の
ストリートビューに、はりつけになってしまう

液晶画面の上で
町から外れてまだ真夏だった海岸
砂浜に3Dで残るテントを
ぐるぐるともてあそぶ
六月、八月、十一月、繰り返す六月
何かを中心に回ることから、銀河の運ばれるスピードまで
合計したら目にも止まらないふだんのあなたと
今日もランデブーをしようとして、
わたしもあんなふうに残ってみたい


──────────────
即興ゴルコンダ(仮)http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5487829#11824057 投稿


自由詩 もっと近くに(ゴル投稿修正版) Copyright 高橋良幸 2016-10-23 10:08:20
notebook Home 戻る  過去 未来