今日も振り出しに戻る
葉月 祐



あなたの激しい煌めきは

蓋をしても隠しきれない

マグカップで足りる程の

光しか持たないわたしは

指をくわえ憧れるよりも

一体どうすれば

今以上輝きを放てるのか

どうやって飛び跳ねたら

その高さから世界を覗き

沈む夕陽や 昇る朝陽の

何物にも隠しきれない生

暗闇に浮かぶ月を照らす

燃える命の塊が持つ熱に

触れられるのだろうかと

そんな事ばかり考える

そんな世界のドアを探し

そのドアを開ける鍵を

あの終わりを知らない

閃光の中に飛び込んでは

鍵すら見失い あなたの

光に見とれて 目的を忘れていく


つまり自分の輝きの大きさは変わらないままに

呑気に幸せな世界の中で あのおおきな光に焼かれて

マグカップ片手に焦げていく

わたしはまた振り出しに戻るのです







自由詩 今日も振り出しに戻る Copyright 葉月 祐 2016-10-08 22:16:08
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