あなたの声
薫子

あなたの声は魔法の声
声を聞くと私の細胞が動き出す。
細胞も怖い時は怖がって震え
愉しくなると、笑うのだろうか

あなたの声を聞くと細胞が笑い出す
多分、笑っているから細胞の集合体の
私の体も心も愉しくなってくるんだろう
そうすると、私の体温は多分ちょっと高くなる
なぜわかるのかというと、頬が熱くなるから

あなたの声が聞きたいのに聞けなくなると
私の細胞は、寂しくて縮んでしまうのだろう
寂しいと悲しくて、細胞の水分を
全部涙で流してしまうから、小さく小さく…
縮んでしまい、私も小さく小さく
頼りない少女のようになってしまうだろう

だから、私はあなたの声を
どうしたらいつでも想えるのか考えた
あなたの声を聞けなくても、あなたの声の記憶を
37兆2000億個の分身の小さな小さな37兆2000億個の引き出しに
大切に大切にしまっておく…

寂しい時はその引き出しをそっと開けれるように…


散文(批評随筆小説等) あなたの声 Copyright 薫子 2016-09-30 14:37:45
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