当り前
nonya


僕の東側から
今日も君が昇った
コーヒーの香りが
ほんのり温かい

他愛無い話に
マーマレードを塗りつけて
右目は美人のアナウンサー
左目は君の笑顔

ベーコンエッグは
半熟が正義だけど
それを振り翳そうとすると
たちまち君にたしなめられる

天気予報を気にしてる
君の横顔を眺めながら
コーヒーを飲み終えて
ご馳走様をつぶやく

降水確率50%
叶う日もあるし
叶わない日もあるけれど

見慣れたテーブルの上に
コーヒーやトーストや
サラダやベーコンエッグの
ピースを正確に嵌め込んで
君は毎日
当り前を完成させる

感謝してるなんて
口が裂けたって
言わないつもりだけど
当り前が当り前じゃないことを
時々思い出すことが
僕に与えられた最大の任務





自由詩 当り前 Copyright nonya 2016-09-23 22:27:07
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