共同体
ピッピ

迷惑というものが
足元に転がってきたので
これ
あなたのですよ
と元来た方向に蹴り返したら
露骨に嫌な顔をされる
それ
お前のもんだろうが

正しい日本語に言い換えて
返してあげた
ライカ
ローリンストン
砂利道のように
石を蹴れば人に当たる
誰かがいれば
誰かが困る
この世は困り事の引っ張り合い
哲学をばらばらに持ってしまった
生き物のさだめ
天体のように正確でなく
電車のような秩序もなく
嫌がることのボールを
ただ蹴り返しているだけ
                 迷惑なんか
かけたくない
彼女はそう言って
逆風の中飛んでって
地面で砕けて ちらばって
文字のような形になった
それが
これ


自由詩 共同体 Copyright ピッピ 2016-08-19 18:09:51
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