原始のままに
梅昆布茶

演繹と帰納
対象化と止揚
ナボコフとアンヌ・ヴィアゼムスキー

ダーウィンとジグムント・フロイト
様々な世界観が駆け巡る

数学者は数理に没頭して
あまり感情の処理に脳の活動を割かないが

詩人とはどういう人種なのだろう
言葉を組み替える遺伝子学者
大切なものを拾い集める考古学者
それともおっちょこちょいの文筆好きに過ぎないのか

サーカスは終わらない永遠に
帝国の逆襲はいまも続いているし

戦場のアームスーツは美しく累積し
平和の歌は遠くで響いている

安寧の日々はいつか風化する
誰もチキンにはなりたくない
君とコーヒーを飲みたいから

暖かく柔らかい君の肉体を
不安定な僕の精神生活を
阿倍野橋魔法商店街を

遺伝子の配列が解明されても
いきなり誰かを理解できる訳でもないのだが
それでも接触を試みる

僕は自分に満足していないが
満足している友と働く

夜の静寂がかろうじて安定させるもの
僕の細胞をいつの間にか入れ替えてしまう時間に

新たなる反逆を試みる
文明なんてつい最近のことだ

僕はいつも通り原始人のままだ



自由詩 原始のままに Copyright 梅昆布茶 2016-08-09 01:13:50
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