ピッピ

ダイ
アポストロフィー
感情で生きている男が
振り上げたギターを
バスドラムに投げつけて
そういうものを見るたびに
嗚咽や時には吐瀉物を
漏らしたりしたものだけど
裏切り者のような
正直さがほしい

人が手で作った時計が
狂い始めるのは
それは時計ではなく
時間という概念が
狂い始めている
だけではないのだろうか
ジントニック
マラスキーノ
包容するガラスを
彼らのように
粉々に割ってみたい
もし衝動というものが
そこにあるのなら
彼らには猫だって人だって
ただの六弦の楽器だって
譬え同じようにしか
見えていないとしても
そういうようにしか
生きていけないとしても
失うものを失ったって
きちんと地球上には
存在し続けている
ラボアジェはそう言ったね

コンロの弱火で
芋を煮る
いくらスイッチを回しても
これ以上強くすることが出来ない
いっそのこと
捻切ってしまって
どこか遠くに飛ばせたら
そう思っているのに


自由詩Copyright ピッピ 2016-07-30 15:01:17
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