モノトーンな朝に
梅昆布茶

絶対零度を維持して推移してゆく君の機嫌は地球の天候を狂わしてしまう
朝食のトーストでさえテーブルの向こう端の原野に追いやられて僕は
親友の結婚式の引き出物のスプーンのようにこの家に居場所のない余計者らしい

たった一つの約束を忘れたばかりに惑星が凍結してしまうなんてよくある事だ
僕の生命維持管理装置はときどきフリーズしたり暴走したりいまはいそがしい
忙しく激しく明滅するインジケーターがこの危機的状況を視覚的に証明している

破壊された調理器の残骸が飛び散る前に逃げなければならないだろうか
それともこの世界とともに消滅するのかもしれない

たんに結婚記念日を忘れただけなのに



自由詩 モノトーンな朝に Copyright 梅昆布茶 2016-07-15 09:57:49
notebook Home 戻る  過去 未来