コアラぼっち.(ゴル投稿)
高橋良幸

満月の夜に抑えきれない
ハムストリングから踝に伸びる衝動
戻りたい、小村に
途方もなく敷き詰められたアスファルトを蹴って
(それでも行き先がわかるのは、
 道が、
 国道が、
 県道が
 人の行く道を伸びていったからだ)
そして人狼のごとく
村人を一人殺める
息を潜めた、こむらがえり.

    あ、コアラの話なんですね、小村に戻りたい大村さんじゃなくて。
    さしずめそうなると
    コストラリアですよね、オーストラリアではなくて。

新月の夜に誰にも悟られず
僕と君だけの屋外の儀式をしよう
シルクのような布を
木綿のような布を
公衆の面前で取り払うように
暗闇で新築の僕らは
まだ青看板にも載っていない
(それでもゆきさきがわかるのは、わかるよね、わかるからだ)
そして新しい舞台が始まる
新しい共鳴と新月のような照明の、こけらおとし.

   ああ〜、コアラの、話なんですよね、シドニーのオペラハウスじゃなくて。
   さしずめそうなると
   コペラハウスですよね、おおっぺらに言ってしまうと。

三日月のようだ、炭酸というのは
そのまま喉の奥で溶けてしまいそうだろう
だいぶ小さくなった飴のように
鋭利な刺激を残しながら
深夜には忘れてしまう
砂糖ではないものの甘味だとか
ミントのような空気
だけと覚えている人がいるだろうな
緑のような、赤のような、
感覚器官のような、コーラペプシ.

   コーラのオーラがあるよな〜〜〜(あるある(ないない))。

的コアラぼっち講座


自由詩 コアラぼっち.(ゴル投稿) Copyright 高橋良幸 2016-05-30 19:31:24
notebook Home 戻る  過去 未来