鮮やかな汽車
縷々流 縷々

【鮮やかな汽車】


-0-

一生懸命生きていたって
だれも気にしないのよ
わたし何処へ飛んで行っても
あなた関心がないのよ
綿毛ひとつ舞って
それとおんなじ命なの


-1-

変われないのさ
何処を知っても 誰を知っても
わたしはわたし
何処で咲いても 西洋たんぽぽ
檸檬のタブレット
口に放り込んで
甘ったるい春を感じた


-2-

背伸びしすぎて筋肉痛
心をほぐすように歯車を回す
ピントが合う前に
シャッターを切ろう
わたしをぼかして
わたしを知る前に
いつか帰りますと
絵はがきにして送るの


-3-

あなたの舌が口内炎をえぐって
それがとっても痛かったから
わたしこうして汽車に乗ったの




自由詩 鮮やかな汽車 Copyright 縷々流 縷々 2016-05-27 02:01:08
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