太陽
千波 一也



あなたの厳しさに育てられたわたしは
厳しい人になる途中

あなたの優しさに育てられたわたしは
優しい人になる途中

あなたに注がれた愛情そのままに
わたしが継げているかどうかはわからないから
いつまで経っても
親子なのですね

空を見上げれば
そこには必ず太陽がいてくれます
良いとか悪いとかではなく
そこには太陽がいてくれます

その有難みがわかる頃
真実に、その有難みがわかる頃
わたしの父母は行くのでしょう
太陽のそばへ
そっと行くのでしょう

習わしの
ごく浅いところで
わたしは思案している
正しさや過ちや
愛しさのこと
至らないこと

透明に編まれる
おだやかな時の波間で
いまは、まだ
きっと







自由詩 太陽 Copyright 千波 一也 2016-05-18 22:22:10
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