平和に捧ぐ
梅昆布茶

ぼく雅羅櫛
きみ観瑠奇異上意

異星人が過半を占める地球で

どうやら宇宙は愛の摂理で
成り立ってはいないようだ

老後の資金なんてもう要らないし
どうせ星になるんだからなあ

でも日本列島はまだまだ面白い
房総半島で花を愛で伊勢エビを喰らう

お台場海浜公園の夜景
吉野熊野のなんとか美術館には
僕がお見合いして振られた
澄子女史の画が常設展示されているらしい
いつか見に行こうか

随分物事が仲介を経ずに流通する時代になったものだと思う
もちろん好きな世紀だ

分断され差別され陵辱され見捨てられて
でもちっちゃな革命を起こす君が好きだ

上海蟹は河の蟹であんまり食べるところがないんだって
彼女はそう言いながらズワイガニを口いっぱい頬張る

平和なひとを好きになって
平和な世界に貢献して
平和に死ぬ

これが僕のたったひとつの望みなのかも知れない


自由詩 平和に捧ぐ Copyright 梅昆布茶 2016-05-18 12:51:18
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