書くか・ソレデモ
ただのみきや

失う口形を魔の辺りに視て尚も孕むかシ
トワに問う意味に倦み編みあぐね拗ねる
ウタの蒼さ麻袋に包み墓に供え貫かれた
裸の螺の水仙うねりのネを張り伸ばし蝕
される音韻のシズク触覚でハジク悼むこ
とも忘れ折れた指で叩く黒鍵で埋もれた
大地吹きすさぶ因果律と道徳律の間にサ
カサに堕ちる娘手足萌え出でる朝に食い
破るチのみぞれフルフル国のあたまシッ
ポはらわた空砲の轟きに臆することなく
原色インコする手弱女の柔肌のヌとネと
膨らむ乳房に七人の愚者が宣託を告げる
と舌先のコインの上でカインが目を覚ま
した時間のズレとザレに脈を失くし冷た
い千代紙の花吹雪となり眼差しとなりな
がらコドクの光は弾道を駆け続けてシを
予感させるプリズムへ向かい時間の動き
続ける断面をアンモナイトに刻みながら
七人の女神がアレキサンダーの足を噛み
千切った東京の高い塔からヘブライ語で
叫ぶ中国人が釜茹でにされる愛国心と愛
国心が麻雀卓を囲んでババ抜きをしてい
る憎しみのニンニク料理が地中海を往く
船の上でエチオピア人をかつての鎖で繋
ごうとしたテロリストの薬指のジルコニ
アからダイヤよりも澄んだ涙が落ちる日
ゆっくりと蝗の群れが月からやってくる
病院のにおいが何処からか怒りを鎮めて
ラクビ―ボールが刺さったままの男が泣
いた父と母を恋しがり怒号が壁を崩して
鯨を喰う権利が追い詰められたヌーの群
れのように少女の小さな泉に飛び込んで
痛む蛾よりも金色の眼をしてもう大人だ
と笑う教会の洗礼式が行われた海岸には
過去が過去のまま生身で流れ着く半島の
ゴミが流れ着くように裏切り者が処罰さ
れる蠢く夜の獣のにおいに巻かれ蛍が無
数に落ちる兵士たちは紙のように燃え神
になれなかった穴はどの時代どの国でも
開き続け主義も宗教も敵も味方もなく蛍
はみな震えながら明滅し加速するドミノ
は光速を越えるガンジスの子が矢を枕に
眠ると神話が残り人はシに記された神々
はなく風が太陽が稲妻が漂う意識を巡り
照らし埃っぽい言葉の屍が渇きだけを灯
して往く昨日珊瑚礁の島々で良く熟れた
芋が無数に往く手を阻んだ飢えたまま時
代を花びらのように脱ぎ捨ててナビゲー
トする偶像の端末がぶれ始め春が来る膿
んで肥大したイチモツを晒して顔を隠す
終わりなき被害者クラブの聖杯を舐める
くらいなら傷だらけの爪先で蹴り上げる
閉ざされた瞼の裏に広がるれんげ畑で蜂
が蝶がぎりぎりの生を火の玉の夏を飛行
している娘は武装する何も持たずただ刃
を己に向けて爪が剥がれ指先が千切れる
ほど掻き鳴らすスチール弦からチに塗れ
シは跳ね跋扈し暗躍するなにひとつ意味
を繋ぐな崩れ堕ち粉々になれ艶に仇なす
夜目に喰わさずシよらしくシよシよとし
なり知と痴と恥まみれの声シが泣く奈良
ぬらりとノロいゐろのならいに羽化せい
詩化せい蜂の子ヌけヌけかぶら炊け青キ
ナコ煉獄きんぴら地獄で餅撒け化けるが
花の斑に淫らに魔法の模倣で啓蒙される
オデコ撫子剃毛しちゃう黒子が昇る夕闇
迫るkissmeplease均衡揺らしてシタール
がスラブとアラブを踊らせる瞑想と埋葬
エビルと呼び合いカンフーとロックンロ
ールで靴を失くしながら宇宙ステーショ
ンを見上げては間と未と無と目をも潰し
颯爽と嘯いて切腹したって乗った張った
切符はいらないきっとカッとしてあなた
子と場を失くし耄碌で無しの白痴の糜爛
に火炎瓶の宴タンゴの文語をバンドネオ
ンでシなど知らぬがhotcake三時のあな
たは暫時のうわごと上書き強いてあがい
たりもがいたりシタイ魔の辺りに視たシ
人に朽ちなシとは違和ない口が裂けても





        《書くか・ソレデモ:2016年4月10日》













自由詩 書くか・ソレデモ Copyright ただのみきや 2016-04-10 00:51:54
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