かみの長い男のひと
はるな


それが大きいのかちいさいのかわたしには分からない
数だということだけ わかる
くらやみを射抜くような空ろないたみがビルを覆っているので
ひとびとはたえまなく降ってくる
切りそろえられた三角

クローゼットがいっぱいなのに 着ていく服がない
辞書をひらいても 言いたい言葉がみつからない
なのに空らんを埋めたくて ノートばかり買ってくる
髪の長い男の話をするんだった
でももう なにもわからない



自由詩 かみの長い男のひと Copyright はるな 2016-03-28 23:40:37
notebook Home 戻る