イタミノ
モリマサ公

「へえ、すごいね」
流れてく広い月


多機能トイレに
死なない程度
埋め尽くす闇
知ってるんでしょ
いらない体液のゆくえ
教えてもっと


すっごい大好きな
絶望を
毎日燃やして
壊して
血だらけの
からっぽなボディーひきずりまわして
笑顔のYOUにあいたい


駆け抜ける
水族館
青い青い
液晶画面
照らされる
横顔だけで
もうなんでもいい
駄目じゃないなんて夢に
現実みせつけて
駄目になる物語聞きたい?


昨日のスタンプだけじゃ
わたしたち
生きてるの
はずかしいね
脳内に
居座る理解者は
スーサイドギリギリを
うろついて
嘘を
つくときは
うんと
やさしく死ね


きみのかきまわす
風景に
依存して
思い出す
看板がひかる
右や左に折れてく
ハンドル握って
深い
深い轍に落ちてく


もはや
地球単位の温度差で
カーナビは
自宅を再検索しつづけて
くれてる
かくばった女性の声
路肩で
枯れ果てた
ぼくらの
イエローの
ファサードをたく
この心臓の音に
もう無理な
ちからが送られてくるのを
まって


透明なナイフで
突き刺して
キラキラ
崩れていく
ライフで
消えていく
痛み
そんなに
きれいなもんじゃなかった
あらゆる
感情が
渦を巻いて
今も
生まれる感情を
ぎゅっとして
やわらかく
ゼロになって
ビル風は
ちゃんと
生きてる触り心地で
YOUをわすれても
変わらない
どんな空洞が
あらわれても
変わらない


目を閉じれば
しらじらしく空があけていく








自由詩 イタミノ Copyright モリマサ公 2016-03-28 18:31:36
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