過言でしょうか
千波 一也



僕が空に明るくなったのは
君のため、です

僕が
空に溺れてしまうのも
君のため、です

もしも
君のいない僕ならば
どれだけ不幸で
どれだけ幸福だったことでしょう

その確かめようの無さを
希望と取るか
絶望と取るか
いずれにしても
時間は過ぎてゆきますね

生きている僕、でも
生かされている僕、でも
大差はないと思うんです

生きている君、でも
生かされている君、でも
僕の目に
その違いは
映らないのと同じことです

誰のためでもないものが
誰かのためになるのなら
捨てましょうか、愛を
拾いましょうか、
憎悪を

君のためになるはずが
君のためにならぬなら
辞めることも
出直すことも
僕には
できるので

過言でしょうか
いいえ、まったく







自由詩 過言でしょうか Copyright 千波 一也 2016-02-05 23:13:52
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