透明な手
nonya


あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる

あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わたしの唇が凍えている

いつからか見えるようになった
透明な手

わたしが迷った時は
しなやかに手招きしてくれて
わたしが塞いだ時は
ふわっと背中を撫でてくれる

本当はわたしが
あなたを選んだ瞬間からずっと
わたしの傍に佇んでいてくれたのだろう


透明な手


なかなかそれが見えなくて
ずいぶん遠回りしてしまったけれど

今は透明な手を信じる
ほんのり甘い風よりも
きらきらした石ころよりも
正しすぎる道標よりも

透明な手にたくさん
拍手をしてもらえるように
あなたの笑顔を守り続けたい

わたしが透明になる日まで




自由詩 透明な手 Copyright nonya 2016-01-31 14:02:00
notebook Home 戻る  過去 未来