強いていうなら
榊 慧

 このB級の指先で合成の調整の声を断絶したあとの日暮れでジョージ・コックスを汚す。なにも仕留められない、仕留められない、消毒液を浪費しては自己嫌悪/ユニクロからのメールマガジンを読んでTシャツが見当たらない夕方を浪費して四列シートの夜行バスに乗る私は生き永らえることができやしない。

否定性の劣化を止めたくて炎。汚れたベンジンに着火したら汚れた炎? 死んで詫びてさしあげます。さしあたってはこちらで血を流してください。左手の中指の指先の部分の皮膚が一番傷んでる、そういうわたしをわたしは好きになれないまま今度もまた春がくるんだろう。好きになれないものたちをゆるすことができるのか? わたしはなにをゆるせば満足していただけるんですか? わたしはなにをゆるすべきなのですか?



 死んで死んだ自殺直前日記。髪をギャツビーの脱色剤で脱色する。キューティクルは当たり前に死ぬね! 愉快だね! ゲッタグリップのエンジニアブーツを昨日修理に出しました。わたしはまだ生きていやがりました。胸糞悪いです。



 剪定されない山茶花の木を悼む。人間というものになりたくない。



 誰にも彼にも嘘、嘘、嘘! 虚構を重ねて生きているだけの鬼畜! わたしは殺意をころせなかった。その時点で敗北だった。見向きもされなかった。だがそれがどうしたというのだ、わたしはそもそも人間さまであったというのか? おこがましいね!



 キウイフルーツを握りつぶしてころしあいして死ぬ以外の選択がありません、かみさまお腹がすきました。朝焼けをにらんで雑草を踏みそれを謝るわたしゴミクズ。わたしの城には栄光は近寄らなくていい。涙、涙の紙の本。おまえなんかに誰が見向きすると思うのか! はいそうですねごもっとも。わたしはもうだれとも関わりたくないと毎日毎瞬おもうのに、わたしは人間にみえるらしくて人間らしく関わってしまうけだものです。黒いセーターとジーンズ、人間のように見える容姿。なにもかもがきらいです。わたしはなにものにもなれないし当てはまらないのですぐさま飛び降りて身を捨てたい所存とやら、です。


散文(批評随筆小説等) 強いていうなら Copyright 榊 慧 2016-01-07 08:42:18
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