ホームスィートホームから風俗嬢にならなければならなかったあなたへ
モリマサ公

ホームスィートホームから風俗嬢にならなければならなかったあなたへ

しんじゃった友達との記憶が許可無く薄らいでくつらみ
四角のなかのアナウンサーは巨大でにっこりともすんともつかぬ顔
ニュースをつぶやいてる バーカ 
勝ち上がらなくてもオリジナルじゃなくてもいいんだよ
 
存在するたましいのオーラ
両親に感謝して生々しいとか泣かせてなんぼみたいな
ノスタルジックのする青春ドラマなんて真似できない
だからなんなの

育ててくれた排気ガス呼吸
季節ごとにいろんな匂いしてるけど 
あんまりいみない昼間
中学も高校も全然いかなかったわたし

いつか駄目になる現実をきみらから
拾い集めてするスポンサーはファンタジー
10才の娘におくられてきたクリスマスプレゼント
離婚した夫からのシャープペンシルとその変え芯だった


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星のなる木から星をかごにとっている仕事の人から
時々頭が変になりそうなメールがくる
星かごのなかから星を選んで宇宙にぽいぽいする仕事だ
いい星とか悪い星についてのメールを読んでいると

なんで相手がわたしなのか
光ってる画面をみてるとつい涙をこらえてしまう
10才の娘におくられてきたクリスマスプレゼント
離婚した夫からのシャープペンシルとその変え芯だった


俺たちは時間をまとって
おんなじ場所を何度も何度も通過してる
最初でも最後でもない物語の中央を重ねて生きてく
鏡のなかで声ばかりとどまってぶれてく

リンゴの暖かいジュースにショウガを少しすって飲みなさい
かさかさの皮膚を剥いでは誰かとつなげて結合
いい部分がつながってひろがってつかれはてて流れ流動
かなしい部分はすべてのそれぞれと融合

最高に生きてるすげーバカみたいな瞬間
わたしたちはもう誰でもなかった
よかった
もうスーサイドしてもしなくてもよかった

止まる事なくありふれた宇宙の大河がひろがって
吸い込む息の中に僕たちが流れ込んで
吐き出すよりはやく光の速度をこえて
きみもぼくもあたしも宇宙の地平線となって







  




自由詩 ホームスィートホームから風俗嬢にならなければならなかったあなたへ Copyright モリマサ公 2015-12-25 20:25:46
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