嘲ける人
亜樹

飲み込んだチョコレートが
胃の中でどろりと溶ける
何の役にも立たない甘さ
何の役にも立たない苦さ

悪い夢を見た朝に
汚してしまった下着の色
一日中ついて回る後味の悪さ
標的もいないまま
構えたまんまの機関銃

少しずつ腐っていく、歪み。
化粧台の三面鏡が
自分のためだけに紅を引く女を
あざ笑っている


自由詩 嘲ける人 Copyright 亜樹 2015-12-25 16:21:10
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