宴の翌朝
イナエ


鴉の声が窓ガラスをすり抜け
ベッドに潜り込んでくる
戸外では新しい世界が始まったらしい

部屋の中には 
昨夜 
掘り返した青春が 
アルコールに萎えて床に散らばり
描き上げた明るい未来が
煙草の匂いにまみれて壁に張り付いている

カーテンを開き 窓を開けると
なだれ込む町の潮騒

青春の破片は朝の光を避けて
シーツのしわに姿を隠し
明るい未来は陽気な外気に気圧され
部屋の隅に色褪せていく


自由詩 宴の翌朝 Copyright イナエ 2015-12-17 21:33:31
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