恋とは無縁の地の果てで
ピッピ

右の耳にカチャーシー
左の耳に吹雪のハヤテ
五歳で世界の全てを知って
その後は忘れていくばかり
フェイクと名付けた鉤針に
ハイディング・ジャンクの帽子をかけて

右の目に生
左の目に死
有象無象すべてが
どちらかの沼にうずまっていて
その境目のタイトロープを
ノイローゼという名の鼻唄を歌いながら

忘れられていくのだろう
どちらの足から生まれてきた?
四歳の時に
コンビニ「デリシャス」東春日店の店長を殴った
ファ の音の声を出して
死んでいった
それと同じように

軽やかに

(25g)

魂のステップは永遠に
続く

見えている

誰の目にも
誰の脳にも
同じように

歌を
歌うように

舞を
踏むように

精子が
大人になるように


右の足に枷を
左の足に錘を
詩は囚人の生んだパレード
叫びは囚人の生んだフェスティバル
そして一生が終わる
何も変わらないふりをして


自由詩 恋とは無縁の地の果てで Copyright ピッピ 2015-12-02 19:51:18
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