日曜日
藤原絵理子


夜明けの淡い光が ゆるやかな
丘の木立を 悪夢から救い出すとき
白い衣の少女たちが 透明な微笑を
ローリエ樹の 木末の葉先に 露を宿す


遠い思い出に浸って 白い午後は
菜の花畑の向こうから 列車の音が聞こえる
どこか知らない街へ連れて行って せめて
まだ光を享けている このささやかな一瞬だけでも


貝殻細工の夢を見た
薄暗い蔵に 差し込む一条の光
古ぼけたランプシェードに 虹色の悲しみを


淡い緑色の海に 浮かんだ墓所の島から
教会の鐘の音が さざなみを越えて渡ってくる
船着場を闊歩する鴎の目に 穏やかに


自由詩 日曜日 Copyright 藤原絵理子 2015-11-30 21:54:32
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