魄
レモン
静かの海は
氷砂糖のようで
わたしの身体
ひいやりと
あの影の部分
ホルマリン漬けの子宮
眠ってる
おおぜいのひとが
わたしを可哀想と泣いてしまうので
わたしはなんだか可笑しくなって
おおごえで笑ってしまったら
骨灰の鹿の子ぐも
のうみそみたいな斑になった
『ほら見てごらん。
ニューロンとシナプスが回虫みたいに』
違うよ
たらの白子だよ
『繋がってゆくんだ。
ヴェブだね』
蜘蛛は嫌い
『そのイトの一部なのに?』
願わなかった
『仕方ないんだよ。』
わたしの身体
ひいやりと
抜け落ちてしまった親不知
ほっとけないなら
わたしはあなたを覚えてる
熱く
なまえを呼ぶこえ
好きだと思った
その痛み