正化
フユナ


正化さんじゅうなん年

世間では

本を検閲する政府と

守る図書館で

どんぱちやっているらしい

銃弾の飛ぶ

大通りの裏路地で

私たちは聞かせる

ひととき限りのうた

ひとりの喜びや恋の執着

殺意や絶望のものがたり

検閲されるだろう確信がもてる

ひとの心のうちを

私やあなた

私たち

詩人はうたって聞かせるだろう

本などは焼かせておけば良い

あなたが焼かれるよりなら

また詩から

人々は歌声をあげる

もし平成の次に

正化になったとしても

人々は

少なくとも

詩人は






自由詩 正化 Copyright フユナ 2015-11-17 00:35:15
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