夏休みの日記より。
そらの珊瑚

あみ戸をほんの少しだけ開けておく。
すかさず外にいる犬がやってきて、
そのすきまのそばで入りたそうにしている。
すきまを少し広げる。
あたまがひっかかる。
犬はあきらめる。
ネコなら手で開けて入ってくるのに、犬はそうはしない。
誰かが開けてくれるまで、
入っていいよとゆるされるまで、
ただそこで、じっとまっている。
キバだってあるのに。

犬はなんてばかなのだろう。

そんな犬がぼくは大好きだ。

ごめんなさい、犬。
ためしてごめんなさい、犬。

犬はなんてやさしいのだろう。

いつだってぼくをゆるしてくれて、
しゃべる代わりにぶんぶんしっぽをふっている。
犬もせんぷうきが好きなようだ。
かあさんが来るまでだよ。
せみがないている。



自由詩 夏休みの日記より。 Copyright そらの珊瑚 2015-08-14 12:35:58縦
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