並四日記 3号至福の時を過ごす
あおば

                   150810

 昨日の8月9日(日)葛飾区亀有にあるRock Bar 「KID BOX」に応急修理をした並四ラジオ3号をキャリヤーに載せて連れてゆく。ポエケットのときに頂いたチラシに、下町ポエトリー・リーディング復活!!(か?)、と記載されているので、下町ポエトリーが復活したんだなと、日時は見るとかなり先なので、とりあえずキャリヤーの底に入れておいた。先週の中ごろ、8月の声を聞き、そろそろ下町への準備と、開催予定日時を確認すると9日とあり、私の予想より1ヶ月は早い。それで慌てて3号を修理をした次第です。
開催場所の東京都 葛飾区 亀有5-32-16「KID BOX」は
http://s.maho.jp/homepage/5a4c16c500882271/

亀有駅前から2分とのことなので、グーグルの地図でよく調べてプリントアウトして迷子にならぬよう準備を整え、最近の戯れ詩をいくつかプリントしてバッグに入れる。
お店のウエブ上にはJASRAC管理下の曲をBGMに用いないようにとの注意もあるので、ウォークマンから、抵触しそうな音源をすべて削除して、その代わり最近作った効果音源をアレンジしたものをウォークマンに転送しておいた。
昨週初めから、夏風邪で例により絶不調で、これだけのことをやるのががやっとだった。
 交通経路は代々木上原から千代田線で亀有駅下車と、今までの梅島と比較すると乗換えが少なくて楽だが、千代田線は遅いので少し時間は掛かる。13時開催なら、12時半には亀有駅到着しなければと、出立時刻は11時とする。しかし、11時だと昼食を取る時間が無いので、駅中のコンビニでサンドウイッチを2個と飲むヨーグルトを購入した。
例により、下北沢駅では、かなり時間を食う、たまたまベビーカー2台に幼児数人連れと、エレベーターが一緒になり、彼らも小田急線へ向かうので、エレベーターの乗降にやけに時間を食ったからだ。しかし、さほど迷わずに代々木上原に到着して始発電車に乗り込み、ひたすら亀有駅を目指す。
 結局、時間が押しているので、サンドウイッチは車内で食べる。いい年をしてと叱られそうだが、腹が空いてきて、胃の痛みに苦しむのは、非難する人ではなく、私なのである。(駅のベンチで食べる予定だったが、少し時間が足りなくなったのだ)。

 亀有駅北口を出ると、両津勘吉巡査が迎えてくれた。


何枚か写真を撮ってから、イベント会場に向かう。西に向かって暫くして、それらしき場所が無いなと不安を覚えた頃、グーグールビューで見知った、白い全天候型バイクが見えたので近づいたところ果たして会場の「KID BOX」だった。
 ドアを開けて入ると、何人かの見知らぬ方が居られ、見知った顔が無いなぁと些か不安を覚えたが、Mさんか居られたので、ここが会場だと確信して、座りやすい席を選んで座る。ここも、ソファシートなのですわり心地は楽で助かった。
 開演時刻がきたが、遅れてくる人が何人か居るとかで、少し開演を遅らすことになったので、私はウーロン茶を飲みながら3号の受信状態を確認すると思いのほか良く受信できる。エアコンが作動しているが、デジタルノイズは無く、AMラジオに優しい空間だった。後で聞いたところ、アンプも真空管式とのことで、マイクにもデジタルノイズが乗っていないので助かる。
 他の方は開演を待つ間、好きな酒を飲んだり、近くのコンビニ?から身になるおつまみをたくさん購入してきてお腹を作っていたようだ。しかし、こんなに飲んで朗読や演奏は大丈夫か些か不安になる旺盛な飲みっぷりだった。
 結局 出演は5組 参加しない聞くだけのお客さんも何名か居られ、いよいよ開始された。
 出演者とその順番をメモした紙が見当たらないので、詳しく書けないが、一番目は例の如く、Mさん。いつものようにマイペースで詩を朗読するので、会場は急に飲み屋から詩朗読会場へと雰囲気が変わり、驚くほどの緊張感を漂わせ始め、2番目以降の方も、朗読、演奏経験と技術は高く、これは凄いところにきたと、例により些か不安になる。持ち時間は10分から15分とかなり長いが、皆さん数分で朗読を終了するので、意外に早く自分の番になる。
 とりあえず始めましての挨拶して、並四ラジオがラジオであることを鳴らして示してから、近作戯れ詩を2作ほど朗読した。

アイスクリーム (8月9日は長崎に原爆落とされた日なので・・。)
  150731

アイスクリーム
ユウスクリーム
クリームクリーム
クククククククク
フフフフフフフフ
トトトトトトトト
ナナナナナナナナ
タカタカタカタカ
ノホノホノホノホ
オクオクオクオク
ノマノマノマノマ
キタイキタイキタ
タッタッタッタッ
ホンカクテキトザ
ントコドッコイサ
シラネサンカラホ
ラガサキヲノゾム
オレハマチジュウ
イチバンスクリー
ムユウスクリーム
カネコミチハルノ
サケブコエガスル
ウケイレルタチバ
ミミヲフサギタイ
キチソウオンハ?
フカフカフカフガ
フガフガフーガフ
キキワケノナイオ
トノヨウナキガシ
テコンワクスルノ
アイスクリームが
溶け出したと君が
叫ぶ声が山を越え
谷を越えて聞える

初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、クローバーさん。


効果音は、昨日仕上げた、無機的なノイズ。

群がる (父のことを記す)
       150729

軍事政権を倒せ!
威勢のいい声を腹の中に納め
今日も訓練に精を出す
一家に一人は義務
2人ならばなお良し
3人ならば尚更良し
どこまで続くカーキ色の靴音が
寝耳に響く、開戦前夜
1キログラムのビーフテーキに齧り付く
ノルマンディー上陸前夜の米兵の群れ
当方は一切関知しませんと
日の丸弁当を誇らしげに拡げる
我が軍勝利を疑わない神国の兵卒群れが
3人ならば尚更良しの子供らの群れが
芋の尻尾をかじる戦争孤児の運命を
イメージできたとは思えない
私の親父は、帝都の守りで横須賀に居て
武装解除後の復員時にいったいいくら貰ったのだろう
ある程度のまとまった金額は貰えた筈なのにそのことは
一切伝わっていたない
銃後の事情に疎い父は、酷い食糧不足も知らず
威張り腐っていた元将校を袋叩きにする同僚を横目に
重くない程度の缶詰をリュックに入れ、元気な姿で
復員した
家には、ろくな食料もなく、小さい子供らが群がっていた
こんなことなら、持てるだけの食料を持ってくるんだったと
後悔したかは知らないが、とにかく、銃後では決して食べられない
ご馳走の缶詰を持ってきてくれたのは確かだった。
知っていれば、もっと運んで来るんだった
食べ物なんかには全然不自由してなかったんだから
どこに配属されるかは偶然ではなく、かなり恣意的に配属が決められていたようで
必ず戦死する部隊に送り込まれ、気に入らない人物を合法的に死の粛清したのだと
ある人物は悔しそうに語る。
父は、なんの後ろ盾のない一兵卒だが、終戦時に腹いっぱい食えた部隊に居たのは
幸運と言おうか、それとも前世の行いが良かったのか分りません
陸続と続く軍靴の音を聞きながら
羊が一匹、二匹と数えながら今夜も眠る
ぐんぐんと揚がる積乱雲
威張り散らして後には
涙を集めて雹を降らしたりする
酷暑の夏には哀しい思い出も多くて
八月の声を聞くと
少し憂鬱になる習慣が出来たようだ
群れなす大軍に、蹂躙される夢
無辜の民の上に爆弾のお見舞いを投下する夢
群れ群れすると眠りが浅い
金属片をばら撒いてレーダーを霍乱する
群れ群れ群れ
ちりちりばらばらが集まって
群れ群れ群れ群れ
羊の大群が押し寄せる秋の空には
まだ少し間があるようです。


初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、こうだたけみさん。

効果音源は、「とんち教室」 
この番組の出演者は当時有名な方々ばかりなのだが、残念ながら、私以外は、彼らの名を知る人が居ないのには、些か驚く。60代後半の人でないと知らないのかもしれない。

 一時間足らずでオープンマイクが終わったので、もう一巡したらの提案があり、二回目が始まる。二回目は、いつのまにかギターと南米の笛の伴奏がついていた。

私は、並四ラジオ3号を持って出たので、伴奏がいつのまにか消えていた。
眼鏡。 (母のことを記す)
          150606

めがねの度が合わなくなってきた
またお金がかかるわね
本を買うお金がこうして消えて
めがねをかける必要の無い
兄弟姉妹が羨ましいと思う
そんな青春を終えて
請われて出かけた満州国
めがねを掛けていて良かったと
思う
少し卑劣な感覚だけど
日本人でよかったと思う
それと同じようなものだ
帰国の夜汽車の中
夢も見ないでうとうと眠る
故郷の東京に帰る
東京の田舎に帰る
冬でも集中暖房で
蛇口を捻れば
いつでもお湯が使えた満州のお屋敷から
床暖房でほかほかの自分の部屋から
井戸で水を汲み釜に入れ
土間の窯で沸かす
暖房は囲炉裏だけ
火鉢を使ったことあったかしら
雪は余り降らないけれど
寒い冬の冷たい水仕事にも耐えねばならない
そんな日本の東京の田舎に帰るのだ
夢みがちの満州国での生活と厳しい現実的な日本国と
比較するのは無理なのだ
無理を承知で生き抜いても
めがねの無い生活に戻れないように
めがねに合った顔になっていた

初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、梓ゆいさん。

効果音源は、「とんち教室」

 休憩の間、3号を弱発振状態にして、ミニミニ送信機を近づけビーというビート音を発生させる、所謂テルミン効果でのビーという音の音色が好みの音になるように、時間をかけて何度も微調整を繰り返す。検波用真空管12YR1は、ゼロビートから音が出だすまでの音がどうもきれいでない。検波管の問題なのか、グリット抵抗とグリッドコンデンサーとの時定数が余りよくないのか、このあたりは、かなり改良の余地が有る。ちなみにこのゼロビートからの音の発音具合が好ましいのは、1921年式のラジオに用いられたウエスティングハウス社製のWD11。しかし、高価なのと脆弱なので、持ち運んでの使用は無理。(大金持ちならば別だが)
 一度だけ、高円寺円盤で開催された 「月曜日の三角」に「Westinghouse Aeriola Senior Receiver」1921年型のラジオとともに持ち込んだことがある。




真空管「WD11,WD12真空管」物語
http://homepage2.nifty.com/kawoyama/tubestorywd11wd12.html


 休憩の後に、自然発生的にジャムセッションが始まるので、邪魔にならないように3号も参加。しかし、次第に大胆になり、時々最大音量で鳴らしたりして、楽器としての3号の全力を尽くす、至福の時を過ごす。
 ジャムセッションの後皆で歓談していると気が付いたら、時刻は6時になっており、慌てて、いつもの鎮静剤他を服薬して、お客さんのひとり、R・Kさんから、夏向きの涼しい帽子を贈られたので、ありがたく頂戴して、被って、一足先に会場から退出。
亀有駅にはすぐに到着、水を購入したりしていると、唐木田行きの小田急乗り入れの電車が来たので、乗るつもりでぼんやり待っていると、なんと懐かしの6000系がやってきた! しかし、カメラを取り出す間もなく到着したので、特徴ある先頭車両は撮影し損ねる、残念至極。

6000系
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%B6%E5%9B%A36000%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A

 車内は空いており下北沢までは乗り換え無しですぐに着く。最近の車両と異なり、シートは厚くすわり心地が良いのに驚く。現在の通勤用電車は、廃人には厳しい設計になっていると痛感する。
 帰宅したら、20時を過ぎていたので慌てて夕食を食べ、燃えるゴミを出しに行ったり、風呂に入ったりしてるうちに25時になっていたが、興奮かまだ冷めないのか、眠れず、深夜便を聞いたりしているしているうちに2時間ほど眠り、6時過ぎに起床、J-WAVE TOKYO MORNING RADIOの文月悠光さんの朝の朗読を録音すべく、PCを立ち上げ、録音させておき、朝食を整え、後に服薬。11時に歯科医院の予約があるが、眠くて堪らないので、10時まで仮眠。歯科医院に行き、帰宅後昼食、服薬。昨日の日記用に画像を整えたりしているうちにまた眠くなり、横になると18時半まで眠ってしまった。慌てて夕食の用意をして夕食を終え、服薬後、日記を認め始めたら、意外と時間を食い、こんな時刻となってしまう。なんという非効率な一日と呆れるが、これでも本人なかなか忙しく、今日はこれから入浴、リサイクルゴミを出しやっと本日の廃人業務は終われる。なんという忙しさ・・が、実感であるが、傍からはなんと暢気な一日と思われるだろう。

写真 亀有駅前の両津勘吉巡査像 土日には撮影のための行列も出来るそうだが、運良く余り人が居なかった。

並四ラジオ3号の選局調整
https://www.youtube.com/watch?v=qzDuNKU0Guw




散文(批評随筆小説等) 並四日記 3号至福の時を過ごす Copyright あおば 2015-08-13 22:31:05
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