八月
でこちゃん

ひとりぼっちなことは何でもなかった
知らない人について行っちゃダメよ という
いつかの言いつけは守っていた

日曜日に火事で全焼したアパートを見に行ったばかりだった
炭化した真っ黒な柱が建物であった跡を残して
その時はただその位相だけを見つめていた

ひとりぼっちなことは何でもなかった
焼いたスルメ片を用水路に垂らして
アメリカザリガニが掛かるまで待っていた

ふと視線を感じて振り返り上を見た
眩しくて額に手をやった
たぶん太陽がこちらを見ていた

誰一人やってくる者はなく
用水路に静かが流れて
風が時を運んでいた





 





 


自由詩 八月 Copyright でこちゃん 2015-08-01 01:04:31縦
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