なかせないのは
砂木

泣くほどの事なのでしょう
向かいにたっている鏡に映る
ただ形でしかないものを見る
泣くほどの 事 なのでしょう

つらいからと逃げられない
逃げ切れないと 千切れて行く
いずれ 切れ切れになれば消えて
鏡にもうつせない まぼろしばかり

笑い損ねた胸に
積み重なる時間の音
触れてほどける すがるような呪文

泣かせるのは嫌いですか 
鏡を割る 割れる音は 未来という破壊者

泣く事から始めてもいい
破り捨てる 幻は涙に敵わない

なかせないのは だれ



自由詩 なかせないのは Copyright 砂木 2015-07-19 15:48:21
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