言葉
梅昆布茶

言葉はなぜあなたにつたわるのだろう
あなたの脳内で維持されている
概念に呼応する音声あるいは文字列を

話し手と聞き手が相互にいれかわりながら
違和もさしてなく理解できる不思議

中国の友と手のひらにボールペン
漢字をかくことであるていどコミュニケーションできたこと

沖縄の友に特有のイントネーションを感じ
彼にヤマトンチューには
沖縄のいたみは何もわからないといわれた

文明の加速は
とっくに言葉をおきざりにしているとおもうが

それでも言葉は
ぼくのたいせつな社会とのつながりなんだ

こころはなかなかほかのこころと
繋がりにくいものかもしれない
社会って変化の集積だ
自分さえも変化する

誰も待っていない隙間でギターを弾く
いつもの居酒屋で借りた古いガット弦の置きものだが
たった一回だけゆきずりの娘さんから感謝をいただいた

誰も愛を自由には獲得できない
誰も愛を操作できない

いいんだいつまでも彼女で
それが素敵なんだ

失うことを哀しまないで
それは普通のこと
いつでもつきまとうできごとにすぎない

ぼくはモラルアドバイザーにはなれないだろう
太陽の表面に白班や黒点があるようにいつも異物を孕んで
ぼそぼそと人生をつぶやくだけなんだから

野菊がいつか鋭く美しい刺をもつ薔薇になる
そんな変化はいつもあることなんでたいして影響はないさ

ぼくはいつも通り野蛮でそして
あたらしくて古い言葉をさがしている

















自由詩 言葉 Copyright 梅昆布茶 2015-07-02 22:52:05
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