【 風の通り道 】
泡沫恋歌

容赦なく
照りつける太陽から
逃れるように
白い日傘が路地の奥へと入ってゆく

打ち水をしたアスファルト
ゴーヤ棚が繁って日陰をつくっている
縁台でのんびり寝ている野良猫
軒下には硝子風鈴が

どこからか涼しい風が吹いてきて
ちりんと風鈴を鳴らした
ここは風の通り道
ひととき暑さを忘れさせてくれる

ハンカチで汗をぬぐい
人心地ついたら
白い日傘は
夏の道をまた歩きだす


  
                            2015/06/23


自由詩 【 風の通り道 】 Copyright 泡沫恋歌 2015-06-23 10:50:00
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