石ころを、たべる
あおば

            150612


カニバリズムを連想する社会
兵士は食料を持たない
現地で調達するのだ
後方支援の乏しい旧日本軍兵士は
さぞかし、苦労をしただろう
現地調達て言ったって
金を払って農民から買うならまだしも
相手の無力をいいことに、略奪した兵も
いただろう
確かに、昔の武士は盗賊とほとんど同じで
武力集団を作り村々を襲った
武力集団の中でも力のあるものが、配下を増して
大将として支配して、支配地域を増し、国を作った
異国へ遠征する時は
食料を持たない兵士は食べるものが無くなると
殺した敵を食べた
食べられた者も死後のことだから不平は言わない
食料を持たない身軽な兵士は強かったのかもしれな

人が人を食べなくなった、最近の戦では、敵兵を食
べることはしなくなった
なぜしなくなったかというと
兵のふだんの生活水準が上がり、人の肉を食らう習
慣がなくなったのが一番大きな原因かもしれない
猿の肉もあまり食べなくなった
秋猿は嫁に食わすなという俚言がまだ伝わっている
のだから
栄養たっぷりの秋のニホンザルは美味しいらしいの
だが、なぜか、最近は食べないようだ
鹿が増えすぎて山の木を枯らすようになり、生態系
のバランスを乱し災害を引き起こすようになった最
近では、鹿を食べようと動きもあり
学校給食にも取り入れられるかもしれない
増えすぎた野生の鹿を食べるのには余り抵抗は無い
ようだ
石ころに過ぎない身では何を言っても建前だけのお
上品なお上には馬耳東風と身に沁みた今晩
横柄な敵兵をやっつけてむしゃむしゃ食らう夢でも
見るかと、ちょっぴり考えているが
夢でも味を感じることがあるから止めたほうがいい




初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、待子あかねさん。





自由詩 石ころを、たべる Copyright あおば 2015-06-12 22:35:39
notebook Home 戻る  過去 未来