雲の隙間を再び照らしている
たりぽん(大理 奔)

誰かのせいであればよかったのにと
雨雲は思ったりするのだろうか
ちぎり捨ててしまったカレンダーのすきまに
見える青空は私ではないけれど

月が反射するものを遮るもの
もしくは雨粒が激しく歪めるもの
直線など存在できないと知っていながら
そう仮定することで安心する

ほんとうに思いのとおりならば
雲は白いままで雨を降らせたいかもしれない
いつもとちがう軌道をたどって
自分だけの方法でたどり着きたいと

誰かのせい
私のせい
わたしもだれか
月は反射された光なのか、反射する鉱質なのか
くものすきまはそらなのか

ぐるぐると
はてしなく風が巻くので
「えいえん」などと、呪いをはいてみる
誰を呪おうか、そんなことも決めていないから

それすら誰かのせいであれば
私はここにいなくてもすむのに


自由詩 雲の隙間を再び照らしている Copyright たりぽん(大理 奔) 2015-06-11 00:42:34
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