現代詩フォーラム短歌部創部記念第一回いちごつみ歌会
山田せばすちゃん

妖精を やぶ蚊と思って 退治する あなたの手には 何が見えるの あっちょんぶりけ

ハムサンドだと思ったらハムちゃんズかじってごめんいたかったでしょ(と思って) 最果タヒ

ファイルする紙束のうけわたしにも手をひかえ 痛かったでもいたかったまだ(いたかった)  田代深子

紙束を燃やして遊ぶこどもらよ遠いあたしに告白をしろ(紙束)  ピッピ

いつまでも遠く遠くにあこがれてわたしはいつの日溜りを乞う(遠)  ちはや

雪原に喪失したるあこがれよ姉より白いものが憎しい(あこがれ)  ちづさ守り

まっくろな喪失だから牛乳を飲み干したのよだけどはいいろ(喪失) 本木はじめ

はいいろのうさぎのみみをかみしめてひだまりの味がするよとスプーンが(はいいろ)  汐見ハル

みみをそいだ画家がいました。自画像に包帯巻きたかったのね、きっと。(みみ) 山田せばすちゃん

青春の 怪我の包帯 取ったなら 死にぞこないの 浪人生が(包帯)  あっちょんぶりけ

あかつきの 水に溺るるあばら身か 死にぞこのうて春を知るらん(死にぞこ) 田代深子

☆つきの水にみぎくるぶしを浸らせる君の生まれる夢を見ていた(つきの水)  ピッピ

あかつきは束縛の色潔さを右踝につきまとわせて (みぎくるぶし) ちはや

屋上を蹴った少女の潔さ臓腑飛び散る前の涼風(潔さ) ちづさ守り

屋上にぶらさがってる蝙蝠が見ていた相合傘のぼくらを(屋上) 本木はじめ

蝙蝠は黒、ぬくもりの闇。なら私、染まれない白、冬の太陽。(蝙蝠) 汐見ハル

海風に一人で吹かれていたかった絞り染めのシャツ裾翻して(染) 山田せばすちゃん

仕事中狭い机に鍵掛けて一人で餅の名札をつける(一人) りっと(里都 潤弥)

野原から顔を出すなら目を突かれ あれれ草木に名札が見える(名札) 最果タヒ

(☆印は参加者互選による秀歌)


短歌 現代詩フォーラム短歌部創部記念第一回いちごつみ歌会 Copyright 山田せばすちゃん 2005-02-10 01:00:47
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