2015鑑賞映画採点及びひとことふたこと⑩〈5/16〜5/25>
平瀬たかのり

?作品力=5点 ?余韻力=3点 ?再鑑賞魅力=2点(?には鑑賞後に歓談を誘発する力があるか、?には保存価値があるかも考慮)
総合的な印象として0.5ポイント加えるか否かを基準として+、−を付加。
(2.5点以下また7.5点以上は+、−表記はなし)

○野性の証明 8
○わたし出すわ 3.5(−)
○のぼうの城 6.5(−)
○野良犬 7.5
○鍵泥棒のメソッド 7(−)
○ラスト・ソルジャー 5.5(+)
○13階段 6(−)

以上7編
(ちょっと今回は短いスパンで)

○野性の証明
 二回目の鑑賞。ザ・カドカワ映画。何回観ても面白いモノは面白い。
 キャスト、調べてみてください。ゾクゾクする顔ぶれです。しかしこの薬師丸ひろ子はかわいい。自分史上『ぼくらの七日間戦争』の宮沢りえの次にかわいい。
 松方弘樹が自衛隊員従えて双眼鏡構えて立て膝ついてる場面あそこ好きなんですよねぇ〜。でも何か笑っちゃう場面なんですけどね。

○わたし出すわ
 結局主人公が何で人のために金出すのか、その心情がボクには伝わってこなかった。やっぱり森田芳光は性に合わない作品が多い。

○のぼうの城
 戦国モノとしては及第点いってるんじゃないでしょうか。それぞれキャラ立ってたし。
 ただ主人公船上の踊りが長すぎ。やっぱり狂言師に花持たせたってところなのでしょうかね。

○野良犬
 クロサワ作品。
 作品としての出来もさることながら、「巨人―南海」戦やレビューショーなど、戦後当時の風俗、町並みが優れたカメラワークで撮られています。それを今観られることの幸せよ。ああ、大画面で観てみたい。

○鍵泥棒のメソッド
 うむ、評判通りの面白さ。たいしたシナリオですわ、これ。監督、脚本の内田けんじは海外の映画の学校出身。やっぱりいい仕事しようと思ったらある程度の「基礎」は必要なのだな。他ジャンル(歌手とか芸人とか)で成功したからといって、簡単になれるものじゃないのですよ、映画監督は。

○ラスト・ソルジャー
 ジャッキー・チェン主演の歴史モノ。なかなか深くラストなんか感動的なのだけど、それでもエンディングはお約束のメイキングNGシーンあり! さすがジャッキーの映画はこうでなくっちゃ! やっぱり嬉しいじゃあ〜りませんか!

○13階段
 深く、重い作品であり、かつミステリーの要素もあって楽しめたのだけど、被害者殺害場面の描写がなかったのは、圧倒的に画竜点睛を欠く、の感でした。


<雑感>
 常々思ってるんですけど、高校の視聴覚教室とかで、放課後映画の上映会とかできないものなんですかね。「映画鑑賞部」とか在ってもいいし、そういうことやってくれる先生がたくさんいるべきなんじゃないかなあと思うんですよね。衛星放送や録画機器の発達でそういうことすごくやりやすくなってると思うんだけれど。
 どうしてそんなこと思うかって言いますと、やっぱり十代の時に観る映画って特別なんですよ。
 邦画洋画問わず、ちょっと前はテレビでも今よりずっといい作品やってました。「刑事ジョン・ブック/目撃者」のハリソン・フォードとケリー・マクギリスのダンスシーンのステキさとか、「泥の河」のカニ燃やすシーンの残酷な静謐さとか、「時代屋の女房」の夏目雅子の神がかった美しさとか、「バーバレラ」冒頭でジェーン・フォンダが披露する〈無重力ストリップ〉のドキがムネムネ感とか(笑)。もう今でも鮮烈に胸に遺ってます。
 ボクは別に映画少年でもなかったし、昔も今もクソ田舎在住だから映画館で映画観ることなんてほとんどありませんでした。でもそういう「たまにテレビで観る映画」の遺りかたが半端じゃなかったのです。
 今なんか「あ〜これ高校生のとき観ておきたかったなぁ〜」って作品の連続ですよ。理解度とか余韻ということにおいては年齢経てから観る方がより深く感じられるのでしょうが、こと作品が与えてくれる衝撃度という点においては、やはり映画は十代のうちに観ておくべきなんじゃないかと思うわけです。
 あ〜、ボクがなぁ、キヨシローが歌う「ぼくの好きな先生」みたいな先生だったら放課後の視聴覚教室は毎日名画座だな。「野性の証明」とか凄く観せたい。「戦国自衛隊」とかもね。あ「トラック野郎」シリーズもいいな。心臓爆発しそうになりながら借りた「窓からローマが見える」はさすがに首が飛ぶかもな(笑)。
 そんなことを夢想妄想してるわけなんですよ、はい。


散文(批評随筆小説等) 2015鑑賞映画採点及びひとことふたこと⑩〈5/16〜5/25> Copyright 平瀬たかのり 2015-05-26 22:46:41
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