迷子のうた
梅昆布茶

日々のおおまかな動線や微細な素描に
こころの絵の具の淡彩で色をちらしてほっとする

ビュッフェのようなリトグラフの陰翳の鋭い世界も良いが
ちょっと太陽のぬくもりをもらったような
なにげない淡彩画が好きだ

颱風で根こそぎもっていかれることもあるが
人生ってそう悪くはないとおもえる

素直に時間やものごとを受け入れることができること
できごとの明確な定義あるいは曖昧な境界を理解できる人間になりたいなんて
ずっとそう想って生きてきた

というのは真っ赤にちかい嘘ではあるが
いいんだと想う
ときに迷っても

いい歳をして迷子だなんて
誰も保護してくれないぜ

回転木馬にのっているあの子はだあれ
係がそっとおしえてくれるだろう

あれはね。。。
あなたの敵
あなたの恋人
あなたの親友
あなたの級友
あなたの家族

そっかみんな迷子だっったなんて
いまさらに気づく

だからあなたの歌がきこえるのかもしれない
そんな耳がいつもあったなら
そんなきもちでいられたら
それをじぶんのものにできるのならば

いつか迷子の同盟が
いっしょに親をもとめるならば
その社会運動に参加しようとおもう

いつまでも迷子ではいられない
そのうちに死んでしまうかもしれないし

せめて一生の最期にでも
ひとめ親にめぐりあいたいものだ

迷子札も老朽化して
母でさえ読めなかったものを
誰に読んでもらおうとおもうのか

そう僕らはいつでも母のない子のように
回転木馬にのってめぐるリズムを聴いている

誰かが係にといかける

どうして誰ものっていないの?















自由詩 迷子のうた Copyright 梅昆布茶 2015-04-29 11:33:10
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